一期一会はどうなのか?

今日テレビで「フォレスト・ガンプ」を放送していた。映画館には観に行かないが、テレビでは楽しめた。しかし、いかんせん最後がいけない。

主人公は、あらゆる欲求、あらゆる感情、さらには愛を表現するのにも大変な時間がかかり、それが逆に人生を好転させていく。それだのに、最後で最愛の人が死ぬと、涙を流しながら、雄弁に別れを告げるのだ。死に対してだけはこんなに反応がよく、感情豊かになるのでは、今までの人生に納得がいかなくなる。彼は、どんな感情も内に秘め、表現しないことが、逆に映画の登場人物から共感を呼び人生に成功していくのだ。すなわちそれは、見ている側の共感をも呼び、じんわりと感動すら感じさせる。ところが、最後のクライマックスで、いきなり主人公の大立ち回りでお涙ちょうだいの大団円を迎えてしまう。この監督は、自信がなかったに違いない。無理くりに盛り上げなくては、感動できないと思ったのであろう。それは大失敗で、逆に引いてしまうは目に見えている。あのまま、淡々と主人公が暮らしていたらと思う。死別でわく感情にどう対処していいか分からず迷う姿を、淡々と描いてほしかった。それでこそ、我々は、彼の底知れぬ悲しみを感じることができたはずである。