野球の美学

kumocco2005-02-12

青空と海に誘われて、沖縄に行ってみることにした。安易な気もするが、それが私。セテモア

沖縄ではプロ野球8球団が春季キャンプを行っている。子供の頃、野球がいやになった。私の大好きだった「パーマン」の放送時間に、父親がいつも野球中継を見ていたからだ。でも、舞台も映画も好きなのに、日本の文化だとも言われる野球を毛嫌いしてはいられない。広島と中日のキャンプに顔を出してみた。

赤ゴジラと呼ばれる、嶋選手。去年の年俸は700万だが、首位打者のタイトルをとり、4550万ほどに上がったという。素朴で、ガツガツしたいやらしさは全く感じなかった。2年目のジンクスなどとよくいわれるが、去年の成績に奢ることはなさそうで、今年も去年以上の努力を惜しまないのではないか。練習後は子供達のサインに丁寧に応じていた。

いつの間にか背後にいて、人の話を聞いている人がいる。落合監督はそんな人のように思う。無言で選手に近づいては、瞬きもせずに、ただ見つめている。バッターは、その眼差しにたじろぎつつもアピールをしている。でも自分を良く見せようとしても、彼には真の姿を見られてしまう気がする。感情ではなく実力で選手を見る。どんな世渡り上手も、落合監督には取り入ることはできないだろう。選手達は朝9時から6時近くまで練習をしている。高校野球だってそんなにしない。カープだってそんなにしない。彼らの強さが、まぐれでも、誤摩化しでも、魔法でもなく、練習による積み上げであると納得した。

スタンドで、風にあたりながらみる野球。緑の芝の上で、カープ赤ヘルが動き回る。井端が、荒木が、ウッズが、アレックスが、快音とともに打った白球は青空の中に消えていく。